高血圧に効く漢方 その①

高血圧治療の薬はCa拮抗薬やARBなどの降圧薬が主流ですが、漢方が好きな方には漢方を処方しています。ここでは代表的な高血圧治療の漢方薬として釣藤散および七物降下湯についてご紹介します。

(1)釣藤散 (中間証)

脳血管障害がある方の高血圧・頭痛・耳鳴・めまい・かんしゃく等に有効です。とくに高齢者で起床時の頭痛がある場合に適しています。肝気上逆に対する処方です。

健忘や脳血管性認知症に改善効果があるという研究があります。

出典:普済本事方 生薬:釣藤鈎、菊花、石膏、麦門冬、人参、陳皮、半夏、茯苓、防風、甘草、生姜の11味

(2)七物降下湯 (中間証~虚証)

動脈硬化性の高血圧、特に腎血流障害や慢性腎臓病、腎硬化症を伴う場合に有効な処方です。血虚があり、脾胃が元気な方に適しています。

出典:大塚敬節経験方 生薬:四物湯(当帰、芍薬、川芎、地黄)に釣藤鈎、黄耆、黄柏を加えた7味

東洋医学では五臓の調和や気血水の正常化を重要視します。釣藤散は肝・気逆、七物降下湯は肝腎・血虚に焦点が当てられている点が異なります。

高血圧治療で漢方をご希望の方は、ぜひ当院までご相談ください。

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