血圧がなかなか下がらない理由は?

「高血圧と診断を受け薬を飲み始めたものの、血圧がなかなか下がらない」とお悩みの方へ、よくある原因を説明いたします。
(1)生活習慣の改善が上手くいっていない
・塩分を摂り過ぎていませんか?
日本人の塩分摂取量は男性10.5g/日、女性9.0g/日で、高齢になるにつれて塩分過量となる傾向があります。
6g/日に減塩することで約5mmHg血圧が下がります。
・肥満を放置していませんか?
体重1kg減少につき約1mmHg血圧が下がります。ダイエットを心がけましょう。
・運動不足になっていませんか?
有酸素運動30分/日×週3~5回を目指しましょう。運動療法で約3mmHg血圧が下がります。体が硬くなっている人はストレッチも心がけましょう。
・タバコの吸い過ぎ、お酒の飲み過ぎはありませんか?
どちらも血圧上昇の原因になり、特にタバコは動脈硬化を促進するため注意が必要です。
・寝不足やストレスはありませんか?
寝るときは早めに部屋を暗くして、温度湿度を調整し、十分な睡眠時間を確保しましょう。
(2)本態性高血圧ではなく、二次性高血圧だった
加齢や生活習慣による高血圧ではなく、特定の疾患や原因による高血圧を二次性高血圧といいます。高血圧の10%は二次性高血圧と言われています。
二次性高血圧は、
・睡眠時無呼吸症候群
・原発性アルドステロン症
・クッシング症候群
・甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症
・褐色細胞腫/パラガングリオーマ
・腎実質性高血圧
・腎動脈狭窄
・薬剤の副作用(NSAIDs、ステロイド、エリスロポエチン、甘草含有製剤)
などがあります。
高血圧の初診時に、血液検査と睡眠時無呼吸症候群の簡易モニター検査を受けることをおすすめしています。
(3)薬の調整不足
顕著な高血圧の場合、急激に降圧するとめまいやふらつき、不快感などを引き起こすため、薬を調節しながら徐々に血圧を下げるのが一般的です。ただし、そうした明確な意図がなく薬の量・選択が不適切であったり、内服が不規則であったりすれば、血圧が下がらない原因となります。