「カフェイン飲料」珈琲と抹茶の違いは?
珈琲と抹茶は、どちらも伝統的カフェイン飲料として親しまれています。しかし、その性質の違いについて理解して嗜む方は意外と少ないのではないでしょうか?
それぞれの特徴を整理してみましょう。

①珈琲
アフリカ原産で、江戸時代にオランダより伝来、明治以降普及しました。
興奮作用があり、眠気覚ましになります。二日酔いの時に飲むと、スッキリします。
「珈琲は身体に良いのか悪いのか」は長年議論されるテーマの一つですが、近年の論文では循環疾患への悪影響はなく、健康に良いとする研究結果が多いようです。
成分的には、
カフェイン…中枢興奮・利尿・脂肪代謝作用
クロロゲン酸…抗酸化・降圧・血糖降下作用
タンニン…抗酸化・抗菌・コレステロール降下・収斂(便を固くする)作用
が知られています。
珈琲のメリットを得るためには、次の2点を注意してください。
1点目は飲み方に関してです。できれば鮮度・品質の良い珈琲豆で浅煎りのものを丁寧にドリップし、寝起き直後や就寝前を避け、香りも含めて適量をゆっくり愉しむのがよいでしょう。胃腸が弱い方はブラックより乳脂肪があった方が良いかもしれません。
もう1点は相性です。珈琲は温性で気を昇らせる作用があるため、「肝陽亢盛」で高血圧傾向、怒りっぽくイライラしている方には向いていません。また、胃腸虚弱の方、不眠症の方、妊婦や小児は避けた方が良いでしょう。
②抹茶
茶は中国南部原産で、奈良平安時代に日本に伝来し茶道として発展しました。
特に抹茶は健康志向の影響もあり、近年世界的需要が高まっています。
抹茶は眠気を覚まし、研ぎ澄まされた集中力をもたらします。
成分的には、
カフェイン…中枢興奮・利尿・脂肪代謝作用
カテキン…抗酸化・抗菌・血糖降下作用
テアニン…脳内神経機能調節・リラックス作用
タンニン…抗酸化・抗菌・コレステロール降下作用
が知られています。
珈琲との大きな違いは、抹茶は涼~寒性で気を降ろす作用がある点です。「肝陽亢盛」で高血圧傾向の方、ストレスが多くイライラしやすい方は珈琲より抹茶の方が適しています。一方で胃腸虚弱な方、冷え性の方は摂取量に注意が必要です。真冬には中国茶や紅茶などの発酵茶の方が温性で適しています。
リラックス作用があるテアニンは上質な抹茶に多く含まれていますが、日常生活で継続的に摂取するのは難しいかもしれません。代替案として、水出し(氷出し)緑茶はカフェインの抽出を抑えテアニンを多く含む為、おすすめです。
これからの暑くなる時期、ぜひ珈琲と抹茶の違いを理解して楽しんでみてはいかがでしょうか。
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高血圧、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病の食事について気になることがありましたら、ぜひ当院までご相談ください。