チルゼパチド(マンジャロ)の効果

最近の論文よりマンジャロの効果をお伝えしていきます。

2型糖尿病治療薬のチルゼパチド(マンジャロ)には強い体重減少効果があります。

最近発表された日本人の非糖尿病肥満症患者に対する国内第Ⅲ相試験(SURMOUNT-J※1)においても、プラセボ群と比較してチルゼパチド10mg72週投与群は体重マイナス16.1%、15mg72週投与群は体重マイナス21.1%という結果で、その減量効果の高さは疑う余地のないところです。

また、この減量効果の副次的効果が次々と発表されています。

最近発表された論文を基に、その効果をいくつかご紹介いたします。

(1)血圧に対する効果

SURMOUNT-1試験(※2)において、チルゼパチド72週投与群はプラセボ群と比較して収縮期血圧が6.8mmHg、拡張期血圧が4.2mmHg低下しました。

(2)体脂肪・筋肉に対する効果

SURMOUNT-1試験のサブスタディ(※3)で、DXA法で治療前後の体脂肪量・除脂肪量を比較したところ、チルゼパチド72週投与群は脂肪量マイナス33.9%除脂肪量マイナス10.9%に対し、プラセボ群は脂肪量マイナス8.2%除脂肪量マイナス2.6%でした。

→チルゼパチド投与群・プラセボ群どちらも体脂肪減少量：筋肉減少量は3:1でほぼ同比率でした。

SURPASS-3MRIサブスタディ(※4)では、2型糖尿病患者におけるチルゼパチド52週投与後の大腿筋筋肉量・筋肉内脂肪を評価しています。チルゼパチド投与後の変化は、筋肉量の減少は体重減少に見合ったものである一方、筋肉内脂肪をより大きく減少させました。

(3)心不全に対する効果

SUMMIT試験(※5)において、HFpEF(駆出率維持心不全, EF≧50%)でBMI30以上の心不全にチルゼパチド52週投与した群はプラセボ群と比較して心血管関連死亡率・心不全増悪イベントリスクが38%減少しました(HR0.62, 95%CI0.41～0.95, P=0.026)。

また、KCCQ-CSS(心不全患者のQOL評価のための質問票)においても、QOLはチルゼパチド投与群の方が上回りました。

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高血圧といびきの内科　神保町駅前では、マンジャロ2.5mg～7.5mgまで取り扱っております。

ぜひご相談ください。

＜引用論文＞

※1 Efficacy and safety of once-weekly tirzepatide in Japanese patients with obesity disease (SURMOUNT-J): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial

Takashi Kadowaki et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025 May;13(5):384-396.

※2 Tirzepatide and blood pressure reduction: stratified analyses of the SURMOUNT-1 randomised controlled trial

Harlan M Krumholz, Heart. 2024 Sep 16;110(19):1165-1171.

※3 Body composition changes during weight reduction with tirzepatide in the SURMOUNT-1 study of adults with obesity or overweight

Michelle Look et al. Diabetes Obes Metab. 2025 May;27(5):2720-2729.

※4 Tirzepatide and muscle composition changes in people with type 2 diabetes (SURPASS-3 MRI): a post-hoc analysis of a randomised, open-label, parallel-group, phase 3 trial

Naveed Sattar et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025 Jun;13(6):482-493.

※5 Tirzepatide for Heart Failure with Preserved Ejection Fraction and Obesity

Milton Packer et al. N Engl J Med. 2025 Jan 30;392(5):427-437.