ブタクサ花粉と秋のアレルギー
春のスギ・ヒノキ花粉が終わると花粉症シーズンが終わったと多くの方は思うかもしれません。しかし実際には、夏から秋にかけてブタクサやヨモギを中心とした第二の花粉症シーズンがあります。
ブタクサ・ヨモギはどちらもキク科の植物で、道路脇や河川敷などに広く分布しています。花粉は8月から10月にかけて飛散します。秋の鼻炎や結膜炎の他、咽頭痛・皮膚炎の原因にもなります。
秋の花粉症の特徴
ブタクサ花粉は粒子径が20〜25μmと小さめです。より容易に吸入され、鼻粘膜や気道深部まで到達します。くしゃみ、鼻水、鼻閉、眼のかゆみだけでなく、咳が出やすいのが特徴と言われています。症状から夏風邪と誤認され、抗ヒスタミン薬を使わず一向に治らないというケースも見かけます。
また特に小さなお子さまやアトピー素因がある方では、眼瞼周囲を中心に皮膚症状が出ることがあります。
秋花粉と口腔アレルギー症候群(OAS)
ブタクサやヨモギの花粉にアレルギーがあると、特定の果物や野菜中の抗原と交差反応を起こすことがあります(口腔アレルギー症候群,OAS)。該当する食物を摂取すると、口腔内のかゆみや腫れを生じることがあり、注意が必要です。
ブタクサ⋯メロン、スイカ、キュウリ、ズッキーニ、バナナ
ヨモギ⋯ニンジン、セロリ、リンゴ、ハーブ類(カモミール等)
診断と治療
問診でアレルギーが疑われた場合は、血液検査(View39)で複数抗原を同時にチェックし、特異的IgEの上昇を確認して診断します。
治療は抗原回避と薬物療法を行います。
抗原回避はマスク着用、手洗い・うがい・洗顔、洗濯物の室内干し、空気清浄機の使用、帰宅後の衣類交換、ブタクサの群生している場所に近づかない、などが挙げられます。
薬物療法は第二世代抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイド、抗アレルギー点眼薬などが中心となります。
季節の変わり目に鼻炎・眼のかゆみ・咳が続く方、または喘息が悪化する方は、一度アレルギー検査を受けることをおすすめします。高血圧といびきの内科 神保町駅前までお気軽にご相談ください。