漢方とダイエット②大柴胡湯

防風通聖散と並んで、ダイエット漢方としてよく名前が挙がるのが大柴胡湯です。

構成生薬は柴胡、黄芩、半夏、芍薬、大棗、生姜、枳実、大黄の8種です。

出典は古方の代表的著書である『傷寒論』『金匱要略』です。

柴胡+黄芩を主薬とする処方群は柴胡剤と呼ばれています。古典的には六病位の少陽病期、横隔膜あたりに炎症の中心が移動し半表半裏の状態に使用されます。柴胡剤の代表処方は小柴胡湯ですが、大柴胡湯はより体力が充実して便秘傾向の方に用いられます。”大”柴胡湯という名前から強そうなイメージを想像してしまいそうですが、実際の薬効はマイルドです。

柴胡・枳実が理気作用を発揮し、半夏・生姜が化痰(痰を捌く)作用を担っています。黄芩が清熱・消炎作用を担っています。便通改善目的の大黄が入っていますが、便秘症でない方向けの「大柴胡湯去大黄」という処方もあります。

ストレスによる肝気鬱結・気滞に対する処方ですが、大まかにいえば、イライラして胸やみぞおちがつかえて、どちらかといえば便秘傾向の肥満に有効といえるでしょう。

「大柴胡湯」はどのような人に向いている?

このような肥満に適しています。

・筋肉質で体が硬い、固太り傾向、やや便秘気味、胸脇苦満・耳鳴・肩こりをともなう

・イライラで食べてしまう

現代研究における「大柴胡湯」

マウス実験での褐色脂肪細胞活性化作用・減量後リバウンド抑制作用が認められているほか、ヒトを対象とした研究では脂質異常症・脂肪肝の改善などが報告されています。

副作用

構成生薬の一部に副作用があるので、注意が必要です。

大黄⋯腹痛・下痢などの消化器症状

黄芩⋯肝機能障害・間質性肺炎

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