GLP-1受容体作動薬による肥満症治療

「肥満症」とは

肥満は脂肪が過剰に蓄積した状態でBMIが25以上の状態をいいます。

「肥満症」とは、肥満に起因・関連する健康障害を合併している状態を指します。この健康障害に該当する疾患は、耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常)、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞・一過性脳虚血性発作、脂肪肝(NAFLD)、月経異常・不妊、睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節・変形性脊椎症)・肥満関連腎臓病が挙げられます。

日本の肥満者の割合は、年齢にもよりますがおおよそ男性の3割、女性の1~2割が該当します。

近年、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬の登場により、肥満症に対する薬物療法の選択肢が大きく広がりました。

GLP-1受容体作動薬について

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は腸管から分泌されるインクレチンホルモンの一種です。膵β細胞に作用してインスリン分泌を促し、同時にグルカゴン分泌を抑制します。さらに、胃の内容物の排出を遅らせる(胃排出遅延作用)ことで満腹感を長く保ち、脳(特に視床下部)に作用して食欲を抑える効果もあります。

GLP-1受容体作動薬は、このホルモン作用を薬理的に強化することで、食欲を抑え満腹感を維持し、また食後血糖上昇を抑える作用があります。結果として、食事量の減少と持続的な体重減少が期待できます。

さらに、GIP/GLP-1作動薬(例:チルゼパチド)はGLP-1受容体に加えてGIP受容体も刺激することで、体重減少と血糖改善効果をより高めることが示されています。

減量効果のエビデンス

SURMOUNT試験等の大規模臨床試験で、GLP-1受容体作動薬の減量効果が示されています。

用量に応じて、おおよそ10-20%程度の体重減少が確認されています(勿論、個人差があります)。

長期的には食事療法・運動療法の併用が不可欠ですが、その旨を正しく理解したうえで使用すれば減量の強力なサポートになります。

肥満関連合併症(高血圧・脂質異常症・糖代謝異常・睡眠時無呼吸症候群など)の改善効果も多数報告されています。

副作用と注意点

主な副作用は消化器症状(悪心・嘔吐・下痢・便秘など)ですが、多くは数日〜1週間程度で自然に軽快します。使用中は「少しでも満腹感を感じたら、それ以上食べない」ように注意してください。

まれではありますが、重篤な副作用として急性膵炎・胆管炎・膵臓癌・甲状腺障害・甲状腺腫瘍・腸閉塞を引き起こす可能性が指摘されています。

妊娠中・授乳中の方、未成年者、重篤な感染症ないし癌の治療中、抗血小板薬・抗凝固薬・ピル服用中・ケロイド体質の方は使用をお控えください。

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当院(高血圧といびきの内科神保町駅前)では、GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」を自由診療にて取り扱っております。肥満症治療を目的としておりますので、美容目的の方やBMI23未満の方は対象外となります。あらかじめご了承ください。

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