夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」の原因と対策

「寝つきは悪くないのに、夜中に何度も目が覚めてしまう」——このようなお悩みで来院される方は少なくありません。中途覚醒と呼ばれる状態で、不眠症のタイプの中でも特に加齢とともに増えていきます。

夜中に目が覚めること自体は、実は誰にでも起こります。問題になるのは、目が覚めた後になかなか寝つけない場合や、日中の眠気・倦怠感につながっている場合です。

目次

中途覚醒が起こる主な原因

1. 加齢による睡眠の変化

年齢を重ねると、深いノンレム睡眠が減り、眠りが浅くなります。これは自然な変化であり、それ自体は病気ではありません。ただし「若い頃と同じように眠れて当然」と考えると、必要以上に不安が強くなることがあります。

2. 睡眠時無呼吸症候群

見落とされやすい原因です。睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸のたびに脳が短く覚醒するため、ご本人は「夜中に何度も目が覚める」「寝た気がしない」と感じます。

この場合、睡眠薬を飲んでも改善しません。それどころか、薬の種類によっては筋肉がゆるんで気道が狭くなり、無呼吸を悪化させることがあります。いびきを指摘されたことがある方は、まず検査をおすすめします。

3. 夜間頻尿

トイレで目が覚めるのか、目が覚めたからトイレに行くのか、実は区別が難しいことがあります。前立腺の問題や、就寝前の水分・アルコールの摂りすぎ、心臓や腎臓の状態が関わることもあります。

4. アルコール

寝つきを良くするために飲酒する方は多いのですが、アルコールは睡眠の後半を浅くします。分解される過程で覚醒作用を持つ物質が生じるため、明け方に目が覚めやすくなります。寝酒は中途覚醒の代表的な原因です。

5. ストレス・不安

心配ごとがあると、眠りが浅くなり些細な刺激で目が覚めます。また「また目が覚めたらどうしよう」という不安自体が覚醒を招く悪循環に陥ることもあります。

6. 身体の病気・薬の影響

痛み、かゆみ、咳、逆流性食道炎、甲状腺機能の異常などが原因となることがあります。服用中のお薬が影響している場合もあります。

ご自身でできる対策

目が覚めても時計を見ない
「まだ3時か」と時刻を確認すると、残り時間を計算してしまい焦りが生まれます。焦りは覚醒を強めます。

20分眠れなければ、いったん寝床を出る
眠れないまま寝床にいる時間が長くなると、脳が「寝床=眠れない場所」と学習してしまいます。静かに過ごし、眠気が来てから戻るほうが効果的です。

寝酒をやめる
最も効果が出やすい対策のひとつです。寝つきは悪くなったように感じても、夜間の目覚めは減ることが多くあります。

起床時刻を一定にする
夜中に目が覚めた分を朝寝坊で取り戻そうとすると、体内時計がずれてさらに眠りが不安定になります。

就寝前の水分を控えめに
ただし脱水には注意してください。日中にしっかり摂り、就寝前を控えるのが基本です。

受診を検討したほうがよい場合

  • 夜中の目覚めが週3回以上、1か月以上続いている
  • 日中の眠気や集中力低下で仕事や生活に支障が出ている
  • いびきや無呼吸を指摘されたことがある
  • 市販の睡眠改善薬を長期間使い続けている
  • 寝つきのためにお酒を飲む習慣がある
  • 血圧が高めである

中途覚醒は「年のせい」で片づけられがちですが、背景に治療可能な原因が隠れていることが少なくありません。特にいびきを指摘されたことがある方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を受ける価値があります。当院ではご自宅でできる検査(保険適用)に対応しています。

当院での対応

問診で睡眠の経過・生活習慣・服用中のお薬を詳しくお伺いし、必要に応じて血液検査や睡眠時無呼吸症候群の検査をご案内します。

治療は生活習慣の調整を土台に、必要な方には薬物療法を組み合わせます。睡眠薬を使う場合も、依存性の少ない薬剤を優先し、漫然と続けない方針で処方しています。

神保町駅A3出口から徒歩1分、平日は19時30分まで診療しています。お気軽にご相談ください。


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